
物流に蓄積する「見えにくい非効率」。全体視点による改善アプローチ
2024年問題を起点に、今なお課題を抱える物流業界。2026年は、輸送力の低下や業務負荷の増加が蓄積し「気づきにくい非効率」が積み重なって成果を損なう状況にあるといえます。遅延や在庫の偏り、説明しづらいコスト増…個々は軽微でも、全体では無視できません。
今回、その背景と打ち手を5項でまとめました。現場の問題を可視化し、即効性ある指針を紹介します。

業界全体で進む「僅かなロス」の増加
2026年、物流に携わる多くの企業が「遅延が増えた」「在庫のバランスが崩れやすくなった」など、明確なトラブルではない細かな変化を感じはじめています。
この背景には複数の構造的な変化があります。
●輸送能力の低下
ドライバー不足の深刻化、荷待ち時間の増加、2024年問題の影響が継続しています。
・2024年度:輸送能力は約14%不足
・2030年度:同 約34%不足(約9億トン相当)
・運行あたりの荷待ち時間:平均 約1時間28分
・荷待ち+荷役の合計=約3時間:政府目標(2時間以内)には未達
■出典:物流革新に向けた政策パッケージ(令和5年6月2日 関係閣僚会議決定)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/buturyu_kakushin/kettei.html
■出典:国土交通省「トラック輸送における労働時間実態調査」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001854525.pdf
●荷主側の管理義務の拡大
・CLO(物流統括責任者)選任義務、貨物重量届出、物流データ把握の必要性
・AI活用の一般化 → 自律的配送ルート再構築、在庫最適化の自動化、判断業務のAI移行
●地政学リスクの定常化
関税変更、供給網寸断リスクの高まり、国際情勢に左右される物流網
こうした外部環境などによる「僅かなロス」が重なり、多くの企業で“見えにくい非効率”が生まれています。
部分最適では成果が出にくい構造へ
現在の物流課題は、倉庫・配送・在庫・システムなど個別の改善では解決しにくいことが特徴です。
●業界共通の傾向
・物流データの散在による全体像の不明瞭化
…部門ごとにデータが点在し、CLO対応にも支障が生じる状況
・局所改善の限界
…「倉庫改善のみ」「配送改善のみ」など局所だけでは根本的な最適化につながらない構造
・外部環境変化の多層化
…輸送力低下・法改正・AI進展・地政学リスクの複合影響
結果として、業界全体で“じわじわ効率が落ちる”現象が進行しています。

いま求められているのは「物流全体を俯瞰する視点」
2026年は、派手な投資よりも、倉庫・配送・在庫・システムを横断して優先度の高い改善ポイントを見つける力が重要になっています。
●特にニーズの高い領域
・物流データの棚卸しと統合
…荷待ち・輸送重量・在庫回転などを一元管理し、CLO義務対応につなげる
・倉庫〜配送〜在庫〜システムの横断的再設計
…AI活用前提のプロセス整備、全体の流れをひとつとして再構築する必要性
・レジリエンス(物流を止めず、変化に耐え立て直す力)考慮のネットワーク再編
…複数拠点配置、ルート多様化、外部リスクの織り込み
物流の複雑性が高まる中で「どこに手を入れれば効果が出るのか」を全体視点で見極めるアプローチが、企業には必要となっています。
いま注目される「ワンストップ支援」
物流が全体最適の時代に入ったことで、戦略・倉庫・配送・在庫・デジタルを一貫して扱える「ワンストップ支援」が注目されています。
●ワンストップが選ばれる理由
・全体構造を踏まえた改善優先順位の提示
…部分改善ではなく、企業の状況に合わせた“効く順番”の判断
・データ統合・法対応の負荷軽減
…CLO義務や重量届出など、荷主側に生じる新たな業務負荷への対応
・AI・ネットワーク再設計を含む横断判断
…技術・改善・リスク管理を一体で進められる強み
2026年は、“大改革”よりも小さなズレを着実に整えることが企業の競争力につながります。
そのために、物流全体を俯瞰できるパートナーの存在価値が高まっています。
トランスコスモスが提供するAI×物流のワンストップ支援
物流の高度化が求められる2026年において、当社は AIとデータ統合を軸にしたワンストップ型ソリューション を提供しています。
部分最適ではなく、倉庫・配送・在庫・法対応・レジリエンスまでを一貫して支援することで、企業が抱える“見えにくい非効率”を根本から解消し、持続的な最適化を実現します。
●当社が提供する主なAI活用サービス
物流データ統合プラットフォーム
WMS、TMS、ERP、IoT これら情報の一元化、異常検知による早期発見
・WMS:倉庫内の入出庫・在庫・作業を管理するシステム
・TMS:輸配送計画や配車、進捗を管理するシステム
・ERP:受発注・在庫・会計など基幹業務を統合管理するシステム
・IoT:センサー等で物流現場の状態をリアルタイムに取得する技術
AI輸配送最適化
リアルタイム交通・天候情報を用いたルート最適化、配車・ETA自動算出
需要予測・在庫最適化
SKU・拠点別のAI予測に基づく在庫偏在の抑制、欠品リスク低減
倉庫の自動化・デジタルツイン
ピッキング動線の最適化、画像検品、自動化効果の事前シミュレーション
コンプライアンス自動化
CLO関連帳票の自動生成、貨物重量届出支援、ログ管理
レジリエンス設計(AIシミュレーション)
災害・関税変動・供給網寸断を想定した拠点配置・ルート最適化
運用代行+AIオペレーション支援
例外管理の自動化、チャットボットによる問い合わせ対応、現場負荷の軽減
●導入によって期待できる主な効果
・遅延・欠品リスクの低減
・在庫効率の改善
・輸送コスト/労務コストの削減
・CLO義務・貨物重量届出といった法対応負荷の軽減
・現場オペレーションの標準化・自動化
・企業全体の意思決定スピード向上
いまの物流環境で企業に求められているのは、劇的な改革よりも、全体を正しく捉え、確実に前へ進むための実行力です。
小さな非効率を見逃さず、データと現場を結びつけながら最適な手順で改善を積み重ねることが競争力を左右します。
トランスコスモスはそのプロセスをワンストップで支え、2026年の複雑化した物流課題に対して、実効性ある前進をともに実現します。いまお抱えの課題を、ぜひ弊社にお聞かせください。













