
2025年、EC業界を振り返る~そして2026年の展望は。
2025年のEC業界。市場全体で生成AIの活用がさらに進み、個々の顧客に最適化されたショッピング体験を提供し、ユーザーエンゲージメントが高められました。
また、OMO(Online Merges with Offline)の深化によりEC運営の効率化が図られ、業務プロセスの自動化やデータ分析による迅速な意思決定が実現。オンラインと店舗のシームレスな連携が強化され、顧客の利便性が向上しました。
越境EC市場は拡大を続け、国際的な取引が活発化する一方で「物流2024年問題」から抱え続ける人手不足やコスト高などの問題が再浮上。効率的な物流体制の構築が引き続いての課題となっています。
EC市場はより拡大基調に
以下は経済産業省が2025年8月26日に発表したEC市場規模と成長率について。
国内BtoC-EC市場規模(2024年)は 26.1兆円規模まで拡大して成長を維持。
物販系分野の市場規模は15兆2,194億円で、前年比3.70%増となっています。
BtoB-EC市場規模(2024年)は514兆4,069億円を記録してさらに大きく伸長し、前年比10.6%増と大幅な成長を見せました。
EC化率は10%前後*と予想されており、こちらも堅調に伸長しています。
*2025年11月現在の予想数値
経済産業省・令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果
https://www.meti.go.jp/press/2025/08/20250826005/20250826005.html

OMOの深化
EC市場の拡大要因の一つとして、まず「OMOの深化」が挙げられます。
OMO(Online Merges with Offline)とは、オンラインとオフラインの境界を超えた新しい購買体験を指します。その本質は「どこで購入するか」ではなく、「どのように感じるか」にあります。たとえば、実店舗で商品を手に取り、その後ECサイトで購入することや、ECサイトで見つけた商品を店舗で試着してから購入することが挙げられます。このように、さまざまなチャネルを通じて一貫した体験を提供することが、顧客の満足度やロイヤルティを向上させる重要な要素となります。

動画プラットフォームとの連動
2025年は越境ECの成長が顕著で、特に「YouTubeショッピング」など動画コンテンツと連動させた新たなプラットフォームが、消費者の購買行動に大きな影響を与えました。
これらのプラットフォームは、エンターテイメントとショッピングを融合させ、視聴者が気軽に商品の購入へとつながる仕組みを提供しています。
特に今年は「TikTok Shop」が日本にて正式リリース。近年のTikTok経由での流通総額(GMV)はぐんぐん伸長しており、世界で注目されるプラットフォームへと成長しています。

なお続く「物流2024年問題」の余波
2024年からのトラックドライバーの時間外労働規制強化により、コスト増や配送量の低下が懸念され、2025年もEC業界の大きな課題となりました。
配送サービスの維持が難しくなる中、AIやロボットを活用した倉庫の自動化や配送ルートの最適化などがEC事業者にとっての大きな課題に。
物流コスト抑制かつサービスの向上などへの取り組みが、物流2024年問題を乗り越える鍵となるでしょう。

サステナビリティへの対応
近年はエシカル消費が一般消費者に浸透し、環境負荷の低減や倫理的な生産プロセスが重視されています。
この流れに応じて、サステナブルな商品を扱うECサイトの市場も成長を続けています。
EC事業者は、梱包材の削減やリサイクル素材の活用、製造・流通プロセスの透明性向上など、環境に配慮したビジネスモデルを推進し、持続可能な社会の実現に貢献しています。
サステナビリティへの対応は、今後のEC業界においてますます重要な課題となるでしょう。
2026年、トランスコスモスの取り組み
2025年のEC業界の動きや変化を受け、トランスコスモスは2026年に向けて顧客体験の最適化に注力し、EC市場の成長を見据えた取り組みを強化しています。
2025年には生成AIの活用が進み、個々の顧客に最適化されたショッピング体験が実現しましたが、今後はさらなる深化を図り、ユーザーエンゲージメントをさらに高めます。
特にOMO(Online Merges with Offline)の深化は重要なテーマ。トランスコスモスでは、Shopifyを活用してオンラインとオフラインをシームレスに統合することで、一貫した購買体験を提供しています。
2026年は、この取り組みをより強化。顧客満足度とロイヤルティの向上を目指すと共に、より高次元の体験価値を創出していきます。
越境EC市場の成長を受けて、動画プラットフォームとの連携を強化。「YouTubeショッピング」をはじめ、今年にリリースされた「TikTok Shop」においても、既に多くの企業様からの引合いをいただいております。
依然として「物流2024年問題」の影響が残る中、AIやロボットを活用した倉庫の自動化や配送ルートの最適化を実践。物流コストを抑制しつつ、品質とサービス向上の両立を目指します。
さらに企業にとってはサステナビリティへの対応も重要です。トランスコスモスは、梱包材の削減やリサイクル素材の活用を通じて、持続可能な社会の実現に貢献します。
トランスコスモスは2026年も引き続き、ワンストップサービスを通じてお客様に価値ある体験を提供します。マーケティング・物流・カスタマーサポートの総合力を活かし、お客様が持続的に成長できるための戦略的かつ効果的な運営を支援いたします。









