アパレル商品の返品の実態|EC物流
ネットショップで購入した商品を返品や交換したことがありますか。人によっては、商品に不具合があっても、手続きが面倒で返品や交換をせずにいるかもしれません。今回は、トランスコスモスのフルフィルメントセンター「ECワンストップセンター北柏」で実際に対応している、アパレルの返品状況についてご紹介します。
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拡大するネットショッピング利用者
今や、ネットショッピングを利用したことがないという人はほぼいないのではないでしょうか。
総務省の家計消費状況調査によると、2023年7月時点で54%の割合で利用されていることがわかっています。ネットショッピング利用1世帯当たりの支出額としては44,883円(二人以上の世帯対象)インターネット利用状況世代別で見ると20代から30代が最も多い傾向だそうです。
いつでもどこでも欲しい物を簡単に購入できるネットショップですが、洋服や化粧品などをネットで購入した際に、思っていたものと違ったなんていう経験はありませんか?
返品の主な理由は?
ダントツで多いのは、「サイズ違い」と「イメージ違い」です。
サイズ違いとは?
同じサイズであってもブランドによってサイズ感が異なることがあります。試着ができる実店舗では、サイズが合わないものを購入してしまう事は少ないかと思います。
しかし、ネットショッピングの場合は、サイズ表の数字を参考にするしかないため、実際に届いたものを着てみると合わないなんてこともあります。
イメージ違いとは?
ネット上にアップされた写真を見て、色味や形、モデルさんが着用してる雰囲気や着丈等参考にする方は多いのではないでしょうか。
しかし、届いた実物は思っていたよりも色味が暗かった(明るかった)、シルエットがイメージと違ったなんていうこともあります。
「画質でみた色味と全く違う」といった返品理由も珍しくありません。「色味」は、パソコンやスマートフォンの画質によって見え方が違ってくるため、パソコンとスマートフォンそれぞれの画面で確認するようにします。
同様の返品理由が頻発した場合、返品されてきた商品の状態を元に、サイト上の商品ページに、お使いのパソコン・スマートフォンの画質によっては実際の商品と多少色味が異なります。」 などの注意書きを記載することがトラブル回避にも繋がります。
「匂い」が返品理由のケース
匂いが理由で返品される商品もよくあります。しかしながら、匂いは感じ方に個人差があるため、不良品とするか否かの判断は難しいです。 「柔軟剤のような匂いがする。使用済みのものではないか?」というお問い合わせもたまに発生します。この場合、匂いを確認すると商品臭の為問題ないことが多いです。確認方法としては、在庫から 同じ商品を数点確保し、匂いを確かめます。このとき、回収した商品と同じ香りの場合はほぼ商品に問題ないと言ってよいでしょう。 匂いの感じ方には個人差があるため、2名以上で香りを確認し判断するようにします。
交換商品の確保からお届けまで
事例
返品商品:ワイドパンツ
返品理由:「サイズ違い」
お客様の声:商品サイズがサイズ表の記載よりも大きすぎる、サイズ表通りのSサイズの商品と交換してほしい
この内容からお客様理由の返品ではなく、商品サイズに不備がある可能性があるため、
サイズ表に最も近い商品を確保して発送する必要があります。
パンツとなるとサイズ計測箇所が複数あり、サイズ表に記載してある全ての箇所を計測し
全箇所が最もサイズ表に近い商品をピックアップします。(計測箇所:ウェスト・ヒップ・わたり幅・股上・裾幅・股下)
製造時、どうしても数ミリ~1cmの違いが出てきてしまいます。そのため、商品在庫から数点ピッキングをしてサイズ計測します。ピッキングした商品がサイズ表と比較して1cm以上の差がある場合、更に在庫から商品をピッキングして、ひたすら計測します。
現物商品を保管している倉庫でしかできない返品商品の確認、交換商品の確保はお客様へ満足いただく為の重要な作業です。
交換品として発送する商品の確保が出来たら、コールセンター担当者へ確保商品の計測結果の詳細を連携します。 そしてコールセンターからお客様へ商品状態をお伝えするのです。
お客様にご了承いただけたら交換商品の出荷を行い、サイズ違いの商品を回収し倉庫へ返送される流れです。
このように、コールセンターと物流倉庫が連携をしながら、お客様からの返品対応を完了させるのです。
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