ウェブアクセシビリティって? その意味と重要性を解説。
ここ最近「ウェブアクセシビティ」って言葉をよく耳にしませんか?どういう意味か、なぜ対応する必要があるのか。考え方やポイント、さらにウェブサイト制作において意識すべきことを解説します。
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ウェブアクセシビリティ その意味
「アクセシビリティ」は、Access(近づく、アクセスする)とAbility(能力、できること)2つの意味を合わせた言葉。「近づける・アクセスできる」という意味から派生して、「(製品やサービスを)利用できること・その到達度」という意味にもなります。
ウェブにおけるアクセシビリティ、すなわち利用者の障害などの有無やその度合い・年齢・利用環境にかかわらず、全て人々がウェブサイトで提供されている情報やサービスを利用できること、またその到達度を意味します。
ウェブアクセシビリティ その重要性
現代においてウェブサイトは重要な情報源で、社会生活を営む上で必要不可欠なインフラの一つになっています。老若男女問わず多くの方がパソコンやスマートフォンだけでなく、タブレットやゲーム機など様々なデバイスでウェブサイトにアクセスしています。
そんな中、令和6年(2024年)4月1日から、事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化。それにより、ウェブサイトがウェブアクセシビリティに配慮していないと、利用者の症状や状況によっては、ウェブサイトを介して情報を入手できなかったり、ウェブ上で行う申込や手続などのサービスが利用できなくなったりするなど、社会生活で大きな不利益が生じます。さらには、災害時に避難場所などの必要な情報を得られない状況となれば生命の危機に直面するおそれさえあります。
こうした理由から、ウェブサイトで提供している情報やサービスを常に誰もが安心して利用できるように、ウェブアクセシビリティを確保する必要があるのです。
ウェブアクセシビリティの重要性については、政府広報からの解説もご参照ください。
▼リンク先:政府広報オンライン
事業者による障害のある人への「合理的配慮の提供」が義務化
ウェブアクセシビリティ向上の一般的ガイドライン
厚生労働省「平成28年生活のしづらさなどに関する調査」によれば、日本だけで少なくとも身体に障害がある人(身体障害者手帳保持者)は、428.7万人と推計されています。
その背景もあり、ウェブアクセシビリティ向上のための一般的なガイドラインが設けられています。具体的な内容として、以下の内容が挙げられます。
音声で案内
視覚的な情報を音声に変換することで、視覚障害者にも情報やサービスの提供が可能
見やすい
色覚異常や低視力の方にも見やすい色合いやコントラストを使用
キーボードで操作できる
マウスを使用できない人や、キーボード操作を好む人にも、ウェブサイトの全ての機能をキーボードだけで操作できる
理解しやすい
サイトの内容や構造を明確にすることで、認知的な障害を持つ人にも理解しやすくする
操作が簡単
ユーザーが誤操作しないよう、明確なリンクやボタンを提供してウェブ上での操作が簡単にできる
一部の例ですが、 以上のガイドラインをクリアする事で、視覚・聴覚・色覚特性に障害がある人など、サイト閲覧が困難な方でもウェブサイトから情報入手やサービスの利用が可能に。
他にも加齢により視力や聴力が衰えた人や、怪我や病気などで一時的又は長期的に目や耳が使えない人、あるいは明るさの足りない環境や雑音により音声の取得が難しい状況にある人など、あらゆる人々がウェブサイトにアクセスでき、その恩恵を受けることができます。
サイト制作におけるウェブアクセシビリティ向上のポイント
ウェブサイトを介して自らのサービスをあらゆる人々に届けるためには、ウェブアクセシビリティを意識する事は必須といえます。ウェブアクセシビリティを向上させるためには、どんなことに留意すればいいのか。サイト制作におけるポイントの一例をご紹介します。
文字に色をつけるときや画像に文字を書き込むときに、文字の背景色とのコントラスト比を高くする
単語の文字間にスペースやタブを用いない。文章の折り返し位置を調整するためにスペースや改行を使わない
キーボードだけで操作できるようにする。またキーボードで操作した時、フォーカス部分を認識しやすいようにする
SNSやブログに画像・写真を投稿する時に代替テキスト(ALT属性)をつける
テキストだけでリンクできる事を認識しやすくし、リンク先の内容を予想しやすくする
色だけで情報を区別しないようにする
映像コンテンツには字幕をつける
ウェブアクセシビリティ向上の詳細については、デジタル庁が導入ガイドブックを公開しております。こちらもご参照ください。
▼リンク先:デジタル庁
ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック
ウェブアクセシビリティ そのまとめ
以上、ウェブアクセシビリティの意味と重要性を解説しました。
障害を持つ人、高齢者、技術的な制約を抱える人々。ウェブアクセシビリティは、全てのユーザーがウェブコンテンツにアクセスして情報やサービスを提供するために必須といえます。
さらにウェブアクセシビリティは、企業のイメージや評判に大きな役割が。バリアフリーなウェブサイトは、企業の包括的な価値観や社会への取組みをアピールできます。
トランスコスモスでは、すべてのユーザーが快適に利用できることを目的としたWebサイトの調査・範囲策定・ドキュメント作成から、サイト改修まで行う「Webアクセシビリティ診断改修サービス」の提供を開始。
ウェブアクセシビリティ向上をご検討の際には、お気軽にお問合せ頂ければ幸いです。
▼リンク先: トランスコスモス
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アクセシビリティ設定ができるアプリ一例
ご参考までに、トランスコスモスが推奨するECプラットフォーム『Shopify』の各アプリにおいてもウェブアクセシビリティ向上の機能を有しているものがあります。一例ですが、以下をご紹介させていただきます。それぞれ英語にはなりますが、アクセシビリティ設定ができることが確認できております。