【建築・不動産業界 必見!】SFA/CRMツールを使った顧客管理方法と導入効果
今の日本においてほとんどの業界で競合他社が数多く存在しており、インターネットの普及により消費者・利用者自身でサービスや商品の情報収集を行うことができるようになり、顧客が競合他社に乗り換えることが非常に簡単になっています。
顧客を競合他社へ乗り換えられないためにも顧客一人一人がどのような情報を持っているのか、どのような内容に興味があるのかなど顧客情報を管理することがどの業界でも生き残るうえで、非常に重要になっています。
「顧客管理」には行動履歴やヒアリング内容などの営業活動に関する情報を可視化するSFA(Sales Force Automation)と顧客の名前や性別、購入した製品やサービスの数量や金額、購入日などの顧客に関する情報を可視化するCRM(Customer Relationship Management)の2つに分けられます。
今回は建築・不動産業界で行われてる顧客管理についてSalesforce社の事例をもとに紹介します。
Salesforce(セールスフォース) 導入事例
https://www.salesforce.com/jp/customer-success-stories/
今日のアジェンダは・・・
- 社員一人当たりの売上高が業界平均の1.6倍に!
- リピート/紹介売上の前年対比153%
- お問い合わせ数2.5倍!新サービスの開発期間が1/3
- まとめ
社員一人当たりの売上高が業界平均の1.6倍!
株式会社住宅工営販売は最大手不動産仲介業ネットワーク「センチュリー21」の加盟店として、東京八王子市・日野市の新築/中古不動産を取り扱う不動産仲介会社。
2008年のリーマンショック時に不動産関連企業が国内の上場企業倒産件数の過半を占める中、同社もまた深刻な危機に見舞われ、経営再建のために営業体制の抜本的な改革が不可欠だと判断し行動履歴を蓄積し、営業活動を可視化・管理することによって人に依存せず、そして的に安定して売り上げを伸ばす体制の確立を目指すためSalesforce(セールスフォース)を導入しました。
Salesforce(セールスフォース)に過去5年分のデータをもとにダッシュボード機能を使って、見込み客がいつ、どの媒体からどんな手段でお問い合わせし、そのうち何割が物件の購入に至ったかを分析。
それを踏まえ、購入率の高低に応じて見込み客ごとに重要度をランク付け。そのリストを見れば優先的にリソースを割く顧客なのかどうかを判断する仕組みを構築。
また、並行して見込客が「お問い合わせ」から「契約」までのどのフェーズまで進んでいるかを可視化し、進捗状況によって、A~Fの「顧客ランク」を付与。
営業担当者が顧客ランクごとに設定されたミッションをクリアするとランクアップし、最終的には受注または失注に至るシステムを構築しました。
その結果、営業担当者1人当たりの年間売上は業界平均の1500万円をはるかに上回り、2015年には2450万円に到達。
また、会社全体の売上も安定して伸び、毎年約15%の成長している。
リピート/紹介売上の前年対比153%
株式会社登喜和は地元にニーズに応える「住まい探しのコンシェルジュ」として、約半世紀にわたり埼玉県志木・朝霞エリアで不動産の賃貸管理、売買仲介などを手掛けてきました。
熾烈な競争を勝ち抜くため、1回の取引で関係が切れる従来のビジネスモデルからの脱却が急務であり、顧客接点をExcel管理していたため顧客の行動管理や属性などを踏まえた営業活動が困難でした。
そこで同社は業務内容に合わせてアプリケーションをが自由に開発・運用できるクラウド型プラットフォーム Salesforce Platformを利用し、顧客情報を一元管理できるシステムを構築。
お問い合わせ情報、ヒアリング内容、来店情報など顧客や見込客に関する情報についてはすべてSalesforceに集約しました。
同社がリピート率向上のためSalesforce(セールスフォース)で管理している顧客の属性や顧客同士の相関に関する情報を特に重視しています。
不動産ビジネスにおける顧客は、単一的な存在ではなく1人の顧客でも、家主・借家人・購入者・売却者といった複数の顔を持つ可能性があり、ライフステージによって変化していきます。
そのため顧客本人のみならず、家族構成や友人関係などを含む複雑な情報を一目で把握できるようSalesforce(セールスフォース)上で図式化したことにより、自ずと提案すべき商品やサービスが見えてくるため、営業活動が格段にしやすくなりました。
その結果、リピート/紹介売上の割合は年々高まり、2017年度には43%に到達し、前年対比153%を記録した。
また、業界ではまだまだ少ない完全週休2日を実施し正社員1人につき年間192時間。正社員15人合計で年間2880時間の労働時間の削減を実施した。
にも関わらず、サービスに品質はむしろ向上しており、経済産業省がサービス産業の活性化・生産性向上を目的に「おもてなし規格認証(金認証)」を獲得した。
お問い合わせ数2.5倍!新サービスの開発期間が1/3に短縮
最後にMA(Marketing Automation)の導入事例となりますが、ソニー不動産株式会社は2014年4月に設立され、ソニーグループの一員として不動産の売買仲介や賃貸管理、リフォーム・リノベーションなどのサービスを一般消費者向けに提供する従業員130名の企業です。
ソニー不動産株式会社は売買仲介においてエージェント制度の導入していることと、
ソニーグループの高い技術力を積極的に活用していることの2点が強みですが、
事業拡大に伴い、CPA(顧客獲得単価)を下げながらお問い合わせ数を2.5倍まで一気に引き上げることと、新サービス「おうちダイレクト」の集客力を強化するためにサービス実装やプロモーション実施のPDCAを高速化することが重要な課題でした。
そんなソニー不動産株式会社でも2015年3月以前にはマーケティング部門自体が存在しなかった。そこで課題解決に向けてSalesforce(セールスフォース)のPardot(パードット)の導入を行いました。
Pardot(パードット)を使えば入力フォームが簡単に作れ、慣れれば10分程度で1つのフォームが出来上がってしまうほど簡単。
またPardot(パードット)を使って、マーケティング部門と営業部門とがお互いに確認しあいながら業務が進められたのも非常に大きなメリットです。
もともとPardot(パードット)はMAツールであるため、36種類と豊富なメールテンプレートと簡単にメール作成が可能だったり、レポート機能でメールの開封率やURLのクリック率の分析など多方面で活躍しました。
実はソニー不動産株式会社ではメールの配信停止機能(オプトアウト)が非常に重宝しました。
お客様からの配信停止希望の連絡をうけて、手動で配信停止処理を行うが現実的ではないと判断したため、オプトアウト機能が非常に重宝しました。
Pardot(パードット)を利用したところ新サービス「おうちダイレクト」の新プランを通常スクラッチで開発すれば3か月はかかったものが、実装やテストを含めて1か月で出来上がった。また、お問い合わせ数についてもPardotの導入からわずか6か月で2.5倍の目標に達しました。
まとめ
みなさまいかがでしょうか?
営業活動や顧客情報の可視化をすることで売上UPや業務時間の短縮、他部署との連携など様々な形で導入効果が出ていると思います。
もちろん、SFA/CRMツールの導入をするだけでこのような結果を出すことはできませんが様々な顧客情報を可視化することで自社の商品やサービスにはどのような顧客がいるのかを把握するのは非常に重要なことです。
今ではSFAやCRMに特化したツールやサービスが複数存在しますが、提供会社が別々のSFAやCRMを導入した場合、情報の連携を行う際にカスタマイズが必要になるケースがあります。
SFA/CRMを導入・運用する上で重要なことは「シームレスに連携できるか」です。
Salesforceに限らず当ブログでも紹介しているHubSpot(ハブスポット)でも各ツールがシームレスに連携することが可能です。
HubSpot(ハブスポット)ではSFA・CRM・MAが1つのパッケージとしても利用できるし、CRMとMAだけ使いたいといった様に部分利用をすることもできますので、個人的におススメです!