【レポート】日本市場で急成長するShopify。 [Shopify Post-Unite Japan 2019」
Eコマースを取り巻く環境は日々変化し続けています。
Amazonの進化、サブスクリプションモデル、D2C、OMO、越境EC。EC業界には新たな潮流が日々生まれ、事業者は常に自社のEC戦略のアップデートが求められています。
その加速度は日を追うごとに増してきているのが現状です。
そんな中、世界が注目するECプラットフォーマーである「Shopify(ショッピファイ)」による開発者・パートナー向けカンファレンス「Shopify Post-Unite Japan」が、2019年8月6日(火)に東京有明のTABLOIDにて開催されました。
グローバルプラットフォームが描くECの未来とは。そしてそれらをEC事業者はどのように活用するべきか。Shopifyパートナーとしてこのイベントをスポンサー協力させていただきましたトランスコスモス技術研究所がレポートいたします。
Shopify(ショッピファイ)とは
「そもそもShopifyってなに?」という方もまだまだ多いかもしれませんので、簡単にご紹介。
Shopifyとは、カナダ発のクラウドベースEコマースプラットフォームで、2004年の設立後、世界175カ国の80万以上の店舗で利用されており、世界シェア最大級を誇るECサイト構築システムです。もはやEC業界においても、Amazon・eBayに続く第三位の存在となりました。
そのShopifyが一年に一度カナダで行うカンファレンスが「Shopify Unite」。
現地および米国ではEC業界注目のイベントと言われ、参加者は、Shopifyの新機能や今後の展開、世界が注目するShopifyの描く未来とロードマップについて触れることができます。
2019年6月開催時には、2日間合計で1,000名以上の開発者・パートナー・マーケチャントが訪れました
その「Unite」は2018年に日本で初開催。「Shopify Post-Unite Japan 2019」として今年で二回目を迎える、注目のイベントです。
Shopify Post-Unite Japan 2019当日の様子
まず、Shopify Post-Unite Japanは大きく「セッション」と「ワークショップ」から構成されています。
「セッション」では、Shopifyだけでなく、GoogleやAmazon、PayPal、eBayなどの企業が登壇し、最新の情報をキャッチアップすることが出来ます。
「ワークショップ」は開発者向けの内容で、日々開発を行う人間による実践形式で、管理画面やコードを触りながら講義するライブ感あふれる内容となっています。
イベント当日は、厳しい暑さながらも午前中から会場を埋め尽くす多くの参加者が来場。そのセッション、ワークショップをダイジェストでご紹介します。
Shopifyの成長とコマースの未来
まずは、Shopify Japanのカントリーマネージャーであるマーク・ワング氏によるオープニングで幕を開けたPost Unite Japan。
Shopify Japan株式会社 カントリーマネージャー Mark Wang氏
グローバルでのShopifyの急成長は勿論、6月に公開されたShopify初のグローバルレポートの中から、日本のマーケット成長についてフォーカスして言及。
購買行動では日本がグローバルと比較してもロイヤリティの高いユーザーが多いということ。購買時間帯の違いや、購入するまでにかかる時間の違いなど、興味深いデータに溢れた内容となりました。
発表された日本市場に関する詳細については、ShopifyJapanによるリリースが出ておりますので、そちらが参考になります。
※グローバルとの比較にも興味がある方は、"State of Commerce Report"もご参照ください
マーク氏の発言で印象的だったのは、「流通小売りは死んでいない」という力強い言葉。
ユーザー行動、チャネルの多様化など、Eコマースを取り巻く環境変化の荒波に対して、たった数年の間で一気に急成長を遂げてきたShopifyだからこそ非常に強い説得力を感じるものとなりました。
EC事業者注目の新機能が続々登場
「決済・チェックアウト」関連、「多言語や他通貨」というストアフロントに関するアップデート、「バックオフィスの最適化」、「開発者向けの新たなツール」の紹介など、マーチャントのみならずパートナーとしても非常に期待が膨らむ新機能の紹介だったのではないでしょうか。
Shopify Japan株式会社 カントリーマネージャー Mark Wang氏
Shopify Japan コンテンツストラテジスト豊田氏からはストアフロントについて
Shopify Japan株式会社 カントリーマネージャー Mark Wang氏
テクニカルパートナーマネージャーの岡村氏からはアプリ開発者向けの最新情報が
そして、Shopifyの目指す「パートナーエコシステム」について徳満氏。
2018年実績で、Shopifyからアプリ開発者への支払い実績は100億円に及んだと言い、それが2019年には200億円に達すると見込まれてます。
実際に、Shopify自身の収益と比較しても、パートナーの収益が既に上回っており、パートナーエコシステムが構築され始めていると述べました。
本イベントなどを通して、このShopifyパートナーエコシステムを日本でも構築していきたいという強い想いを感じるものとなりました。
我々はカナダ・トロントでのUniteにも参加し現地でも感じましたが、多くの方にとって、Shopifyはマーチャントだけでなく、パートナーにとっても可能性に満ちたプラットフォームであると強く実感されたことでしょう。
Instagram,Paypalなど業界リーダーが登壇
午後のセッションは、Instagram、Paypal、eBay、Amazon、Googleのプレゼンテーションが続きます。
今回は、その中からInstagramの内容を一部抜粋します。
フェイスブック ジャパン株式会社 Eコマース&トラベル事業部 丸山祐子氏
カスタマーの行動様式すら変えたインスタは、もはや単なる写真共有メディアではなく、動画やショッピングなど後半にに及ぶ表現が可能なビジュアルメディアに成長しています。月間アクティブユーザー数は10億に及び、日本でも2019年3月時点で、3,300万ユーザーにまで到達。
特に日本のユーザーの特性は興味深く、日別アクティブユーザーのうち70%がストーリーズ機能を利用するなど「日本人のストーリーズ好き」な側面や、ググるではなく「タグる」ハッシュタグ検索を利用するなど、Instgaramの影響度の高さを感じる内容となりました。
多くの参加者がInstagramのコマース機能への関心を示していました
ワークショップ には下田昌平も登壇
開発者向けワークショップは早々に満席となる人気っぷりでしたが、惜しくも参加できず涙を飲んだ方も多いかもしれません。そんな方のために、こちらも会場の様子を一部ご紹介します。
「アプリ課金で学ぶ実践GraphQL」は株式会社フラクタの藤永智士様によるワークショップ。
午前中のセッションで、ShopifyのGraphQLへの取り組みや注力度合いについて触れられておりましたが、そのGraphQLを実際の現場でどのように活用するか、ご説明頂きました。
「アプリ課金」というテーマも非常に興味深く、参加者からの質問も飛び交う時間となりました。
続いて、トランスモスの下田によるワークショップ「管理画面を活用したアプリマーケティングのグロース方法」。
トランスコスモス株式会社 執行役員 下田昌平
今回のテーマは「マーケティング向けアプリ」。
実際の画面を使いながら、マーケティングアプリの「使い方」と「作り方」について説明いたしました。
アプリの使い方では、「キャンペーン設定とメールマーケティング施策」について。そしてアプリの作り方では、実際に管理画面を見ながら順を追って説明させていただきました。
多くの方にご参加いただき、ありがとうございました
ワークショップ後にも、参加者の方から質問を頂くなど、皆さまのShopifyアプリ開発への関心度の高さが伺えました。
セッション形式ではない、インタラクティブなやりとりを通して皆様の疑問が少しでもクリアになっていれば幸いです。
パートナーアワード・ネットワーキング
その後、メインステージではShopifyパートナーアワードの表彰式。以下、受賞企業の皆さま、おめでとうございます!
- コマースメディア株式会社 様
- 株式会社TwoGate 様
- 株式会社博報堂様
- 株式会社フラクタ 様
- フラッグシップ 合同会社様
- Lunaris 合同会社様
- Ship&co 様
- トランスコスモス株式会社
最後は会場でのネットワーキングパーティー(懇親会)。
弊社メンバーも多くの方々とお話させて頂きました。ECにまつわる悩みだけでなく、マーケティング・開発など、お互いの課題をディスカッションしあう様子が非常に印象的で、参加者の皆様にとって有意義な時間となった のではないでしょうか。
このような素敵な場を用意して頂いたShopify様、誠にありがとうございました。