物流用語 物流倉庫でよく使われる言葉【ロジスティクス業界基礎知識】
物流倉庫では様々な専門用語が飛び交っています。フルフィルメントセンター(物流倉庫)で勤務するメンバーが当たり前のように使用している言葉でも、実は業界外の方には通じないこともあります。そんな物流倉庫用語(フルフィルメント用語)の中でも、基本中の基本の用語をいくつかご紹介します。
物流倉庫作業に関連する用語
ロケーション
倉庫内の商品や材料を保管する場所の事で、その保管場所を示す住所のようなものです。
ラックの場合はラックの1段ずつに、パレットラックの場合はラック1つずつに、平置きでも床に線を引きロケーションを振ります。
在庫をロケーションと紐づけることにより、「どこに、何があるか」をデータで管理し、倉庫内でモノを探し回るという無駄を省くことができるのです。
ピッキング
英語のpick(ピック)には、「選び取る」、「摘む」、「採集」するなどの意味があります。ピッキングは、伝票や指示書(いわゆるピッキングリスト)に基づいて、商品を取り出す作業のことをいいます。
注文単位で商品をピッキングしていくオーダーピッキング(摘み取り方式)と、商品をピッキングしておき、荷捌場に持っていき発送先別に分けるトータルピッキング(種まき方式)があります。
オーダーピッキングは、多品種小ロットの商品を出荷する際に適しています。 ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、PayPayモール)やネットショップ販売などのピッキングが多いです。
一方、トータルピッキングは、商品の種類は少なめですが、一度に送る1商品あたりの数量が多く、納品先が特定数に決まっている場合に適しています。
保管ロケ(保管ロケーション)
保管ロケーション(保管エリア/リザーブロケーション)とは、商品を保管するエリアです。商品をストックしておくエリアのため、基本的に荷姿はケース単位やパレット単位で保管します。
ピッキングする場所に全ての商品を置かず、保管エリアを設けることで、ピッキングのスペースをコンパクトにすることが可能です。
ピッキングロケ(ピッキングロケーション)
ピッキングロケーション(ピッキングエリア)とは、商品をピッキングするエリアです。基本的にこのエリアの荷姿はバラ(個装)である場合が多いです。一日あたりの出荷数予測に基づいていて一定量の商品を備えておきます。もし、一定量を切った場合には、在庫を保管ロケから補充することが重要です。
保管ロケとピッキングロケを分けることで、人が作業する範囲をできるだけ狭くすることができ、歩行距離を短くすることでピッキング作業効率の向上に繋がります。
検品
商品が入荷した際、発注したとおりの規格で送られてきているか、性能や品質、数に問題がないかを検査する作業です。
倉庫や物流センターの場合、受け取る荷物の量が多いため一般的にハンディターミナルなどを使用します。入荷時にハンディターミナルを使って検品し、そのデータを元に荷物を保管から出荷まで在庫管理。紙への記録では時間がかかっていたこれらの流れを、的確かつスムーズに行うことが可能になりました。
数えるときに使う物流倉庫用語
商品の数え方① ピース/ボール/ケースの違い
①ピース:1商品の最小単位
②ボール:ピースが複数入ったもの
③ケース:ボールが複数入ったもの
商品の数え方② SKUとは
SKUとはストックキーピングユニット(Stock keeping Unit)の略です。
受発注や在庫管理を行う際の「最小の管理単位」を指します。
例えば、Tシャツのカラーが2色、サイズがS、Mの2種類の場合、「4SKU」と数えます。
商品の数え方③ 実際の指示内容を理解してみましょう
倉庫の現場でリーダーから作業者へ以下のような指示がとんでおります。
「商品が4SKU、入り数10,000ピースで100ケース入荷するから、ケース検品して保管ロケに99ケースとピッキングロケに10,000ピース補充して」
どのような指示なのか、何をすべきなのか、すぐに理解できますか?日ごろから使用していない言葉だと、一度見たり聞いたりしただけでは、何を言われているのか、即座にイメージするのは難しいかと思います。
では、ひとつひとつ解明していきましょう。
①商品が4SKU
→商品が4種類入荷する
②入り数10,000ピース
→1箱に10,000個商品が入っている
③100ケース入荷
→1箱に10,000個入った箱が100箱入荷する
④ケース検品
→入荷予定の100箱があるか数量を数える
⑤保管ロケに99ケース
→商品を保管するエリアに99箱置く
⑥ピッキングロケに10,000ピース
→箱から商品を出してピッキングエリアに10,000個補充する
どのくらい理解できたでしょうか。即座に指示内容をイメージできましたか。
倉庫では頻繁にこのような指示が出されます。
用語の意味を理解していないと、どのような指示を出されているのか分からず、正確な対応ができません。まずは、用語を覚えることが必要なのです。
物流用語(ロジスティクス用語)をマスターしよう
物流用語を習得するのは、そう難しいことではありません。最初は物流倉庫内で飛び交っている言葉を理解できなかったメンバーも、次第に「入り数は何ピース?」「この商品のロケはどこ?」など業務とともに言葉を覚え、自然と物流用語を使いこなせるようになっています。
今回ご紹介した物流用語はほんの一部です。
他にも、マテハン、配車、リードタイムなどなど、様々な物流用語が沢山存在します。ご興味ある方は、このブログの関連記事や、ネット上に物流用語辞典のようなサイトも複数あるのでぜひチェックしてみてください。
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