リードタイムとは?納期との違いと短縮メリット【ロジスティクス用語】
ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、PayPayモール)などにおいて、当日配送のサービスを提供する店舗が急増しました。「早く手元に商品が欲しい」という消費者ニーズに応えるために、各企業はリードタイムの短縮を意識せざるを得ない状況です。
近年コロナ禍の影響もあり、外出せずに購入できるECの需要は急激に拡大し、今後も拡大の一途を辿ると考えられます。それに伴い、物流におけるリードタイム短縮が非常に重要視されています。
物流用語「リードタイム」とは?
物流業務のスタートからゴール
リードタイムとは、製造や物流の分野において「着手から完了までに要する時間(期間)」の意味で用いられる表現です。製造・物流・販売などを一通り含んだ全工程を指して「商品を顧客の手元へ届けるまでにかかる総時間」という意味で用いられることが多い用語です。
物流においては、商品・サービスを発注してから納品されるまでの時間や日数のことをいい、物流業務のスタートからゴールまでを意味します。
このように、リードタイムが発注から納品までの期間を指しているのに対し、納期は納品が完了する期限のことを指します。
例えば、リードタイムは「◯日間」と納品までにかかる日数を表しますが、納期は「⚫︎月⚫︎日」と具体的な日にちで表されています。
物流における主なリードタイム
リードタイムの種類
入荷リードタイム |
入荷してから商品を在庫として計上するまで(入庫)の時間 |
出荷リードタイム |
出荷指示を受注してから、物流センターで商品をピッキング、梱包、出荷(輸送業者に引き渡し)するまでの時間 |
配送(配達)リードタイム |
出荷(輸送業者に引き渡し)してから納品先(お客様)に届くまでの時間 |
主にECサイトなどで顧客に知らせる配送予定期間は、配送(配達)リードタイムにあたります。
EC物流にとってリードタイムが短縮することによるメリットとは
物流業務における重要ポイント
一般的に、リードタイムは短いほうが良いとされていますが、
リードタイムが短縮することによるメリットは、どのようなことがあるでしょうか?
✓顧客満足度が向上
顧客の元に、よりスピーディに商品を届けられるようになり、より多くの顧客に提供する機会も増えます。
販売機会損失の減少となり、収益向上にも期待できます。
✓在庫の減少、需給予測の精度向上
リードタイムが短いほど需給予測精度向上により、不動在庫・売れ残りの発生を防ぎやすくなります。
また、在庫補充のペースが速いため、在庫を多く抱える必要性がなくなります。
滞留在庫を減らし、生産性や業務効率を向上させることができます。
✓在庫管理コストの削減
保管スペースが少なくなり、過剰在庫を抱えなくなります。
在庫を抑えることで、在庫にかかる費用軽減にも繋がります。
顧客満足度向上に繋がるリードタイムの短縮
モール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、PayPayモール)でも求められる翌日配送
リードタイムを短縮するためには、工程ごとに様々な方法があります。
例えば、出荷準備から納品までの時間の配送リードタイムの場合、人員の増加や再配置、機械の更新、生産数の調整、在庫管理手法の見直しなどが考えられます。
また、倉庫での梱包・発送作業の効率化や、配送ルートの見直しなども効果的です。
ECサイトで購入する消費者の多くが、出来るだけ早く商品を手にしたいと考えています。
例えば、モールに出店している複数の店舗で同商品が同価格で販売されている場合には、翌日配送可能なことが購入店舗選択の決め手になるといえるでしょう。
受注から出荷までのリードタイムが早いことが、顧客満足度の高さに繋がる要因の1つとも言えます。
近年、物流においてリードタイムの短縮は重要な課題となり、業務改善だけでなく、顧客満足度向上や売上利益の向上にも影響してきます。
リードタイムを分析することで、在庫管理・生産性・業務改善の見直しをしてみてはいかがでしょうか。
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