物流業界は”ヤバイ”のか 物流業界の労働環境、イメージとのギャップ
物流業界というと、待遇面や労働環境において、ネガティブなワードが連想されがちです。しかし、ここ数年で業界を取り巻く環境は急速に変化しています。物流業界に身を置いて10年、現在トランスコスモスのフルフィルメントセンターで管理者として活躍している三好さんに昨今の物流業界について語っていただきました。
目次[非表示]
- 1.物流倉庫のイメージ
- 2.物流倉庫で働く人たち
- 3.現在の物流の姿とこれから
物流倉庫のイメージ
物流業界はブラックか
最近、少し問題になった『底辺の仕事ランキング』に『倉庫作業員』が挙げられていたのは記憶に新しい。
理由としては『誰にでもできる』、『同じことの繰り返しであることが多い』など。
私が物流業界に足を踏み入れたのは約10年前は、そのようなイメージはそれほどありませんでしたが、それこそ『3K』というイメージは少なくともありました。
実際に私が最初に関わった倉庫は業務量に対し『精神論』や『根性論』で乗り切るような仕事がありました。
しかし、ある程度事業の軌道が乗り始めた時期に設備投資を行い、自動化を進め改善されるようになり、少しずつ状況は変わっていきました。
物流業界の労働環境に変化
1970年代フォークリフトが急速に普及。1990年代にIT技術の進展により在庫管理が進み、WMS(倉庫管理システム)が開発。『倉庫』から『物流センター』と呼ばれるようになったのもこの頃と言われています。
2010年代は『すぐに届くことが当たり前』となりビッグデータとロボット化に注目が集まり、自動倉庫化が全体的に進みました。
現在、ECワンストップセンター北柏内でも倉庫のオートメーション化を目指すため、『北柏センターにマッチするAGVなどの導入検討』を行っています。
そう考えてみると、当初私が持っていた業界イメージと現代における物流倉庫事情は変化していると思います。
物流倉庫で働く人たち
物流倉庫管理者の役割
このブログでも度々紹介していますが、北柏センターではECに特化したフルフィルメントサービスを展開しているからこそ、様々な部署が存在します。
私はその中で各部署との調整を行い、フォーキャスト・人員配置・品質改善・現場(倉庫作業者)への指示などのミドルマネジメント、先述のオートメーション化に向けた取り組みをしています。
また、倉庫作業をいかに事故やミスなく『誰にでもできる』ようにするかを考えるのも私の仕事です。
物流倉庫作業者の仕事
ECワンストップセンター北柏は、”お客様企業のEC事業成長に向けた提案をできるパートナー”として、複数のお客様企業に向けて365日で稼働しています。
作業自体は『誰にでもできる』『同じことの繰り返しであることが多い』ところはあるかもしれません。しかし、様々なお客様企業の荷物を扱うことから、全ての荷物において、作業ミスや事故が無く、遅延なくエンドユーザーに届けること、場所を覚えて数や特徴を把握してピッキングすることや、効率よく無駄なく動くこと、スピードを落とさず且つ正確に作業をすることは、非常に神経を使う仕事です。
また、日々変動する物量に対してメンバーの配置変更やタスクの調整、どのようにしたら効率よく作業できるのか課題を洗い出したり、オートメーション化にあわせて実機の取り扱いや知識理解を作業者自身で深めることなども仕事です。
メンバー一人ひとりがプロフェッショナル
ECワンストップセンター北柏は、5.6PPM(誤出荷率 :0.00056%)という完全オートメーション倉庫並みの品質を実現しています。それが実現できているのも私のような管理者ではなく、『プロフェッショナル』として作業していただいている倉庫作業者の皆さんのおかげだと思っています。
『誰にでもできる』ではなく『誰にでもできるようにする』、『同じことの繰り返しであることが多い』ではなく『同じことの繰り返しの中で改善を見出す』ことが倉庫作業員の『プロフェッショナル』としての使命でもあります。
現在の物流の姿とこれから
物流業界も変革の時期
近年、東京周辺の千葉、茨城、神奈川、埼玉に大規模な物流施設が増加しました。私自身、他社様の物流倉庫を見学をさせていただくことがありますが、綺麗且つ明るいイメージの倉庫が非常に多く、中にはカフェテリアを設営されているところもあります。ECワンストップセンター北柏も例外ではなく、無人コンビニや広めの厚生施設があります。
物流倉庫の内部に関しては、どの企業もオートメーション化が進んでおり、私が当初感じていた『根性論』や『精神論』といったイメージとはかけ離れてきているなという印象です。寧ろ、物流業界においても、今後いかにオートメーション化を推進していくかが、生き残っていくカギだと考えます。そのため、今後物流業界に必要な人財は、そういった最先端の技術導入の推進力やマネジメント力、それらを扱うことにより新なサービスを生み出せるデザイン思考などのスキルを持った人物といえるのではないでしょうか。
そう考えると、世間一般に広がっている、物流業界への「3K」、「誰でも出来る単純作業」などといったどちらかというとネガティブな印象は、現在そして未来の物流業界にはそぐわないと言えます。更に言うと、物流業界=「3K」という印象を払拭できない物流企業は、淘汰されていくと考えています。
最後にどうしても伝えたいこと
『欲しいものがすぐ手に届く』これは物流倉庫で作業してくださる、作業員の方々や配送会社の方々があってのものです。
また、倉庫作業員だけではなく、すべてのエッセンシャルワーカーの皆様のおかげで、私も含め生活することができています。
この場をお借りしまして感謝申し上げます。
トランスコスモスのECワンストップセンター北柏には、様々な分野のプロフェッショナルたちが在籍し、それぞれのお客様企業ごとにカスタマイズしたフルフィルメントサービスのご提案・ご支援をしております。
EC物流倉庫に関する課題や、フルフィルメントサービス全般に関するお悩みなど、ご相談はいつでも受け付けております。ぜひお気軽にご相談ください。
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