フォークリフトオペレーター(フォークマン)とは?
物流倉庫の運用で欠かせないのがフォークリフトとそれを操るフォークオペレーターの存在です。
以前ブログでご紹介したパレットも、フォークリフトで持ち上げ、移動します。今回は、物流倉庫での入荷から出荷まで、あらゆる場面で活躍する人材、”フォークリフトオペレーター” についてご紹介します。
フォークリフトオペレーターの仕事内容
貨物の荷下ろし・積み込み
日々大量の荷物を入出荷する物流倉庫では、トラックからの積み下ろしが必要となります。荷下ろしする際に特に注意しなければならないのが商品の荷姿と重量になります。
納品された荷物が崩れやすくないか、隣り合う荷物と接触しないか、注意しながら抜き出しをします。フォークリフトには耐荷重が設定されており、耐荷重以上の荷物を取り扱うとバランスを崩しやすくなり車体が転倒してしまいます。そのため、フォークリフトには簡易荷重計が設置されており、荷物を持ち上げた際に重量がわかるようになっています。商品の破損に繋がらないように常に荷物の重量に注意する必要があります。
庫内搬送
納品した荷物の格納や商品を出荷場まで搬送します。倉庫内はハンドリフト(下図)でも荷物を運ぶことが出来ますが、重い荷物や長距離の移動はフォークリフトでの移動が一番効率的です。
オペレーターには、入庫ではどの商品から格納するか、出荷ではどの商品や資材が必要か常に順番を考えて動く能力が求められます。
格納・ピッキング補助
商品を保管するためラックや赤ネステナーに格納したり、出荷の際に商品をラックから降ろしたりします。フォークリフトであれば手の届かない高い場所へ格納でき、保管効率を上げることが可能となります。格納場所が高い位置にあるため、什器に接触しないように、オペレーターには正確な運転技術と空間把握能力が必要です。
フォークリフトオペレーター(フォークマン)になるには?
必要な資格・免許とは?
フォークリフトを動かすにはフォークリフト運転技能講習を修了する必要があります。
講習時間は学科講習11時間、実技講習24時間の合計35時間。普通自動車以上の免許を有する人は学科講習が4時間免除され、学科講習7時間、実技講習24時間の合計31時間です。
さらに、大型特殊免許などを有する人は、実技講習の一部が免除される場合もあります。また学科及び実技ともに修了試験があり、それに合格することで晴れてフォークリフトを運転することができます。
もう一つフォークリフトオペレーター運転特別教育修了証という資格もありますが、最大積載荷重1トン未満という制限があり活躍の幅が減ってしまうため最初から運転技能講習を修了することをお勧めします。
必要なスキルや経験は?
フォークリフトは急な発進やブレーキなど無理な運転をして、車体自体が転倒したり荷物が落下するなど様々な危険が発生します。また視覚の確保が非常に難しく360度全方位に気を配らなくてはなりません。倉庫内では作業員も働いているため接触事故が起こりやすい状況にあり、危険を予知する必要があります。
ECワンストップセンター北柏での取り組み
自身や他作業員の怪我、事故を起こさないためにもECワンストップセンター北柏(フルフィルメントセンター)ではフォークマンの育成と日々の活動に力を入れています。
学科・実技テスト
免許取得後すぐにフォークリフト作業に入るのではなく、先輩フォークマンが練習を徹底して行います。
実際の倉庫に合わせた学科試験、さらに専用コースを用意し実技試験も実施します。トランスコスモスのルールに合わせた運転操作が出来ているか、フォーク(爪)の角度調整や指差呼称までしっかり出来ているかチェックします。学科・実技ともに合格しないと現場作業に入れません。
独自のフォークルールの策定と教育
教習所でフォークリフト仕組みや操縦方法、危険な場面等を習いますが、実際にフォークリフトを動かす環境によって気を付けなければならない部分が変わります。
倉庫内ではフォークリフトと他の作業員が同じ通行スペースを利用しているため、棚やネスの死角からの飛び出しにより接触して怪我をする危険性が非常に高いです。また案件毎に取り扱う商材が異なるため、パレットに積む際の注意点やパレット同士の間隔についても注意が必要です。
そういった一つ一つの項目をすべてルールに記載しています。さらに過去の作業事故から対策を練り、それをルールに組み込むことで常に運用方法のアップデートを行っています。
フォークマンにはルールの説明をしっかりと行い安全運転を心掛けるよう教育しています。
フォークリフトの日々の点検作業
- 毎日乗車前に車体の状態や動作確認する点検業務
- 飲酒運転撲滅のため乗車前のアルコールチェック
- 誰がいつ運転したかわかるように乗車時間を記録
定期的なミーティングの実施
フォーク免許取得時に教育を実施しても、ルールが形骸化してしまったり、新たな危険個所が発生したりします。そのため定期的にフォークマンミーティングを実施し、事故防止の意見を交換したり、改めてルールについて周知する機会を設け意識の向上に繋げています。
庫内整備
- 一時停止場所の設置により出会い頭の事故を防止
- フォークリフト走行や旋回が安全に行えるように通路に荷物や備品を置かないことで導線を確保
上記のような運用で、ルールの徹底や危険性まで十分に伝え、日々の安全対策を徹底することで事故の発生を抑えています。