ABC分析を解説!在庫管理での活用法とは?|運用事例紹介
ECサイト運営やECモールへ出店する上で在庫管理が課題になることは珍しくありません。実際にEC関係者に行ったヒアリングでは、在庫管理に課題を感じている方が多い印象です。この在庫管理をする上でよく使われるのがABC分析です。今回は、その手法とトランスコスモスのフルフィルメントセンターでの運用をご紹介します。
ABC分析とは
在庫商品の金額や売上などの指標の中から重視する評価軸を決め、商品を累積構成比の多い順にA・B・Cの3グループに分類し管理する方法です。
重点分析とも呼ばれる手法で、多くの指標の中から重視するポイントを決め、優先度を決めて管理していこうという方法です。
特に、売上分析の場面で用いられることが多い手法ですが、そういったマーケティングだけでなく、効率よく作業を行うために、物流現場でも重要となる考え方です。
ECワンストップセンター北柏の運用
北柏センターでは、お客様企業ごとに各アイテムの出荷累積構成比を精査し、累積構成比40%以上のアイテムをSとし、以降A〜Dとランク分けをしています。A・B・Cの3グループよりさらに細かく5グループに細分化することで、より高い生産性を追求できると考えています。
ランクの分け方については以下のように決定しています。
- ランクS→累積構成比40%以上
- ランクA→累積構成比25%以上
- ランクB→累積構成比20%以上
- ランクC→累積構成比14%以上
- ランクD→累積構成比1%未満
ABC分析導入で得られるメリット
生産性の大幅な向上
出荷頻度の最も高いランクSの商品から順に少ない歩数でピッキングできるエリアに保管し、出荷頻度の低いランクDの商品はピッキングに歩数を要するエリアに保管しています。
また、ランクが異なるものの、同時購入のパターンが多い一部のアイテムについては、より少ない歩数でピッキングが可能となるようロケーションのレイアウト変更を実施することもあります。
このようなロケーション配置にすることでより短時間でのピッキングが可能になり、ピッキング作業の生産性向上に大きく貢献します。
過去には大幅なロケーションの配置変更をしたことで、ピッキング作業の生産性が約33%も改善した例もありました。
生産性向上以外のメリット
また、生産性向上以外のメリットととして下記2点があげられます。
①歩数が大幅に減ることで作業スタッフの疲労を軽減でき、組織全体の生産性向上や離職率の低下にもつながっています。
②累積構成比1%未満のランクDの商品をまとめて保管しておくことで、定期的にクライアント企業様よりご依頼いただく不動在庫返送依頼があった場合にもスムーズな対応が可能となっています。
このようなABC分析の運用はじめ、北柏センターでは生産性向上と作業スタッフの疲労軽減、作業の簡略化をワンセットとして考え、皆が働きやすい環境を実現しています。