転売目的の大量購入を防止するには? | OMS 不正注文検知支援機能
近年、ポケカやトレカの転売目的による大量購入が問題視されています。このような行為をする人々は転売ヤーと呼ばれ、度々ニュースなどで取り上げられています。また、無料サンプルなどを転売する”サンプル品転売ヤー”も、フリマアプリなどの "CtoC"の EC市場拡大により増加しています。この不正行為に頭を抱えているEC事業者も少なくありません。今回は、転売目的の不正購入を阻止する対策についてご紹介します。
転売ヤーの存在、社会問題となっている大量転売
狙われている「無料サンプル品」や「初回お試し品」
最近のEC市場では、健康食品や化粧品などの「無料サンプル品」や「初回お試し品」の転売が目立つようになっています。
多くのECサイトでは、これらの商品を追加料金なしで提供することで新規顧客の獲得を目指しており、そのために代金請求の必要のないプランが用意されています。
一方で、これらの商品は再販することができるため悪質な転売業者などによって、不正に利用されています。
転売された商品が、商品の品質・効果不足、商品が誤った保管や輸送の過程で傷ついたなどの理由で返品された場合、EC事業者は多くの損失を被ります。
このような返品が起こることがないよう、ECサイトにおける適切なセキュリティ対策と追跡管理が求められます。
転売目的の可能性はどこで見分ける?
購入後の転売行為が疑われる注文例と判断ポイント
ECサイトでは、転売目的で購入するための不正注文が横行しています。以下に、不正注文されるケースを挙げます。
①ECサイトに、DDoS攻撃やロボット利用が検知されないように、数分間隔で複数注文を実施し、通常の注文のように見せかける方法
②低価格な商品でしか利用できない初回限定や一回限りといった条件を利用し、自己負担額を少なく抑えた上で大量に購入する方法
③注文者の氏名、メールアドレス、電話番号は、毎回異なる記載で注文する方法
④住所の表記法に微妙な変化を加えることで、同じ住所を使用しつつ配信先を変更する方法
④の事例として、半角/全角、英数字/漢数字、マンション名の記載有無など、微妙に変更して注文登録を実施するケースがあります
例)東京都渋谷区渋谷1-1-1 マンション101
東京都渋谷区渋谷1-1-1 マンション101
東京都渋谷区渋谷1丁目1番地1号 マンション101号室
東京都渋谷区渋谷一丁目一番地一号 101号室
・・・
これらの不正注文を防ぐために、ECサイトやECカート側のセキュリティサービス会社が提供する不正注文検知や防止のソリューションが多数存在しています。
トランスコスモスのフルフィルメントセンターで行っている対応
OMSによる不正検知
無料サンプル品購入、おひとり様1個限りの商品、初回購入割引特典などの商品を、転売目的などの悪意ある同一購入者が氏名やメールアドレス、電話番号を変えて他人になりすまし複数回購入する事案が頻発しています。また、複数回の代引き受け取り拒否なども増加傾向となっている状況です。
転売目的での購入者は、商品の受け取り(配送)を確実にするため、配送先の住所情報自体は変えることはできませんが、表記を変えることによって、同一住所と見做されず、ECカート側/ECモール側から購入ができてしまいます。
トランスコスモスのフルフィルメント業務で利用している「eCommerceHUB for OMS」(OMS)は、弊社のITアウトソーシング技術が凝縮された統合型ECプラットフォームとなっています。このシステムは、フルフィルメント業務を支援する多数の機能を備えており、業務の効率化と品質を維持することに役立っています。
「eCommerceHUB for OMS」には、ブラックリスト登録機能やフィルタリング機能が搭載されています。OMSに組み込まれた住所正規化ロジック処理により、様々な住所表記表現を同一と見做し、同一購入者を特定することができます。特定された後は、OMS内の特定配送先情報をブラックリストとして登録することができ、以降の注文は自動的に出荷を停止することが可能となります。
まとめ
注文データが、転売かどうかの判断は運用担当者が実施することになりますが、OMSでは不正注文判断を支援する下記のような機能を提供することが可能となっています。
住所記載の番地、マンション名の記載を微妙に変更(半角/全角入力など)した注文登録の検知
おひとり様(メールアカウント判断)初回限定/1回限りという購入できる条件を利用した注文
Yahooなどのモール注文に関して適用可能な為、独自構築ECショップ以外の不正注文対策の強化
このように、受注の段階でシステムによる不正注文の対策を徹底することで、転売防止につなげることを検討されてみてはいかがでしょうか。
【関連記事】【Shopify × OMS連携】不正解析機能