【物流DX】物流現場の効率化、管理工数削減のためのデジタル化とは
物流倉庫のデジタル化・IoTも、現場での業務効率化・働き方改革・生産性向上に繋がることはご存じですか。物流業においてDXが重要な背景と導入効果について解説します。
物流倉庫業務のデジタル化
環境のデジタル化とは
ここ数年で、物流業界のAIやロボットの導入による自動化が急速に進んでいます。しかしながら、倉庫環境におけるデジタル化はなかなか進んでいない印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
”環境”のデジタル化というのは、勤怠管理や物品管理など庫内で働く人々が快適に過ごせるようにする事を指します。そして、この取り組みのうちの一つとして今回ご紹介するのが、タブレットによる工数管理です。なぜ工数管理のデジタル化が必要なのか、アナログ対応の問題点とシステム導入事例を交えてご紹介します。
物流倉庫業務の管理工数を削減するには
作業工数算出の重要性
まず倉庫内における作業工数とは大まかに分けて下記の4つに分類されます。
- 伝票発行
- ピッキング
- 検品
- 梱包
それらにかかる時間(工数)を日々計測し、1時間当たりの生産性、「作業件数÷(労働者数×労働時間)」を算出します。
この生産性をもとに、作業要員のアサインや作業費の見積もりを出しています。そのため、この数字のブレが大きければ大きいほど、実際の作業と人件費の見積もり額のアンマッチが生じます。
物流倉庫の現場が抱える問題① 紙による工数管理
長年、物流倉庫では紙による工数管理が実施されてきました。
就業時間を15分ごとに区切った用紙を作業員に配布し、各作業時間を記入させるのです。例えば、ピッキングを10時から10時32分まで対応した場合は、15分区切りの用紙では10時30分までを作業時間として記入することになります。
この方法の問題点として15分単位という時間区切りにより、正確な作業工数がとれていないことです。現場作業中に細かい時間管理は困難であると同時に、集計を容易にするため、15分単位での管理が主流だったのです。
そのため、実際の工数とは乖離が生じ、適切な生産性の指標を出せず、物量に対する人員のアサインが適切に行われていない可能性が生じます。
物流倉庫の現場が抱える問題② 工数を入力する時間
用紙記入での工数管理の場合、作業員から提出された内容をエクセルの集計表に入力していく手間が発生していました。
作業員が各業務ごとに、用紙に記入し、それをまた他の作業員がエクセルに入力していく。
工数管理のために、さらに工数をかけて生産性の算出をしていたのです。
物流倉庫業務デジタル化による改善策とは
物流倉庫現場の改善策① 工数取得のデジタル化を提案
数年前までは倉庫作業に特化した工数管理システムは数少なかったのですが、最近では物流需要の急激な拡大もあり、物流業界向けの機能を搭載したツールやサービスが多く開発・提供されるようになりました。
実際に弊社でも、様々なツールやサービスの情報を収集し、現場運営にマッチしたシステムをトライアル導入することになりました。
物流倉庫現場の改善策② タブレット活用トライアルの実施
新しいシステムやツールを導入する際は、まずトライアルを実施し、実際の現場で作業員に使ってもらい、活用できそうか必ず検証します。
今回導入した工数管理のシステムは、各作業の初めと終わりに、個人に紐づいたQRコードを専用タブレットに読み込ませることで、正確な時間が取れるようになっています。
トライアル当初は、QRコードのスキャン忘れなどにより、思うように必要なデータが取れずにいましたが、2か月のトライアル期間があったため、本格導入時にはスムーズに運用を開始することができました。
物流倉庫業務管理システム導入効果
工数管理削減の実現
工数管理をデジタル化することで、エクセルに手入力していた時間が無くなりました。そして、紙の工数管理では難しかったリアルな数字がとれるようになり、正確な生産性の算出が可能になりました。
導入後は、作業人員のアサインのブレがほぼなくなっており効果を実感しています。
現場作業員も、作業ごとに紙とペンを取り出し記入することが不要となり、記入に要していた時間が無くなり、紙やペンの紛失の心配もなくなったのです。
また、このシステムは工数管理だけではなく、進捗管理も可能です。常時、リアルタイム進捗の投影を行うことで、管理者だけではなく現場作業員も視覚的に把握できる環境を作り上げ、一人ひとりが作業進捗を意識することにより生産性向上に繋げていけると考えています。
そのほかにも、トランスコスモスが運営するECワンストップセンター北柏では、積極的に最新技術の導入を計画・実施しております。今後も、人とAIやロボットなどのデジタルとの融合により、サービス品質と顧客体験の向上を目指していきます。
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