食品ECに必要な”消費期限管理”とは?物流倉庫での管理方法を解説!
アパレルや雑貨と異なり、食品に関しては消費期限/賞味期限別に在庫管理を徹底しなければなりません。適切な在庫管理によって、安心・安全な食品の提供のみならず、深刻な問題となっているフードロス削減にもつながります。フルフィルメントセンターでの食品の在庫管理方法など、詳しくご説明いたします。
目次[非表示]
食品EC・通販でよくあるお問合せ
この商品の賞味期限/消費期限はいつ?
消費期限とは、袋や容器を開けないまま保管をした場合に「安全に食べられる期間」を表すものとされています。日頃から、スーパーやコンビニで食品のお買い物を行う際に消費期限や賞味期限を確認して購入される方が殆どなのではないでしょうか。
実際に食品を扱うEC運用において、エンドユーザーより、「この商品の消費期限はいつ頃になりますか?」といったお問い合わせをいただくことがあります。
安心安全で美味しい食品をお届けするために、食品を取り扱う物流倉庫は、消費期限や賞味期限管理の徹底がマストです。
EC物流倉庫における消費期限の管理方法
システムによる消費期限設定
OMS(注文管理システム)やWMS(倉庫管理システム)にて、以下の3つの項目により管理を行っています。
①消費期限
ロット管理同様に、商品を入出荷する際に商品に記載された消費期限の日付の入力を行います。同商品において異なる消費期限の在庫を保有している場合は期限が近いものから、在庫の引き当てがかかる仕組みとなっています。
②消費期限警告閾値/③消費期限無効閾値
商品マスタ上で設定を行っており、商品毎に細かな日数設定が可能なため、商品ジャンルに合わせた管理が可能です。入荷処理時に入力された消費期限日から〇〇日前であれば出荷OKという設定項目となります。
商品の出荷作業を行うにあたり、消費期限無効閾値を超えるものについてはWMS(倉庫管理システム)上で出荷が出来ないように制御を行うことが出来ます。
消費期限・消費期限閾値(しきいち)の管理と運用
先入れ先出し法
消費期限と消費期限閾値の設定を行うことで、商品の先入れ先出しの運用の徹底化を図ることができます。
先入れ先出しとは、物流倉庫に保管されている商品を古いものから順番に出庫し、保管する期間をできるだけ短期間に抑えることにより、商品が劣化しないようにする管理方法のことです。 先に入庫した商品から取り出すことからこう呼ばれます。
閾値(しきいち)の設定
閾値は消費期限より一定以上前の日にちでの設定を行うため、間違っても消費期限が近くなってしまった商品がエンドユーザーに届くことはありません。
また、各在庫の消費期限に対して消費期限警告値、無効値まで何日残っているかデータとしてリスト化し確認することが出来ます。
上記を活用した施策の一つとして、消費期限警告閾値が近くなった商品をセール対象やアウトレット商品に移行することができます。情報を可視化し、期限に対して「無効値」のみではなく「警告値」をもたせることで、事前に対策を打つことが可能です。
消費期限管理の最適化を図ることで品質面の保証だけでなく、近年話題となっている食品在庫ロスを未然に防ぎ、通常品とは異なる消費者需要にも応えていると思います。
食品を取り扱うEC物流倉庫に求められること
正しい在庫管理
今回ご紹介した管理方法は、ほんの一例に過ぎません。そして、取り扱う食品によって様々な管理方法が存在します。各食品に対して、正しい在庫管理体制を構築・運用することが必要なのです。
また、EC事業者(メーカー)ごとに消費期限に関する運用が異なります。EC物流企業は基本運用を元に、それぞれに適した運用に応用していかなければなりません。つまり、お客様企業のニーズや食品の種類に合わせた在庫管理の対応ができることがEC物流倉庫にとってとても重要なポイントです。
在庫管理の適正化は決して簡単なことではありませんが、適切な在庫管理を行うことにより、商品の品質担保だけでなく、消費者の満足度の向上や信頼獲得、フードロス削減と利益向上など、企業にとって有益な結果をもたらすと言えるでしょう。
食品の物流事例紹介
干し芋スイーツ(食品)商材をトランスコスモスの自社物流倉庫で保管・配送
https://transcosmos-ecx.jp/case/speedlogi/OIMO
【関連記事】健康食品・サプリメントの倉庫保管の概要や注意点