【物流DXのススメ】動画マニュアルの活用、そのメリットとは
業務マニュアルを紙から動画にすることで、学習効率が向上することはご存じですか。文字では伝えにくい内容でも、動画にすることにより、細かな作業も視覚的に理解することが可能です。
フルフィルメントセンターでは様々な付帯業務を代行しているため、視覚的に捉えることは、品質のバラツキの低減にも繋がります。
教える側にも教わる側にもメリットがある動画マニュアルについて、ECワンストップセンター北柏の動画マニュアル導入プロジェクトリーダーの吉澤さんにお話を伺ってみました。
目次[非表示]
- 1.作業マニュアルの悩み
- 2.マニュアルのDX化
- 3.動画マニュアルの可能性
作業マニュアルの悩み
使いたいときに役に立たないマニュアル
みなさんの職場にも「マニュアル」は必ずありますよね?それは、どのような「マニュアル」でしょうか?おそらくWordやExcel、PowerPoint形式のマニュアルを使われている企業が多いと思います。
ワンストップセンター北柏(フルフィルメントセンター)でも同様で、PowerPointやExcelを中心に「マニュアル」を各担当者が作成し、新人教育や作業オペレーションを実行するための基本ルールとして活用をしてきました。
しかし、マニュアルは作成工数の負担が大きい上、分厚い冊子となった紙マニュアルは、使いたい時に知りたい項目を探すことも容易ではありません。また、文字が多いため、理解することが大変だったりと、作成・運用ともに苦労して作った割には、活用されることが少ないものでした。
更に、オペレーションを変更した際は、マニュアルの更新作業も伴うため、マニュアルを作ることが業務化し、品質改善も進まなくなるなど悪循環となってしまっていました。
品質担当を担っている私としては、マニュアルを活用した運用サイクルを回しながら品質改善を促進させたいと望む方向とは逆になってしまっていることが悩みであり、課題でした。
マニュアルのDX化
動画マニュアルの導入
世の中に少しずつDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が出てきた頃、「動画マニュアル」活用セミナーというものを見つけ聴講しました。
正直、動画ってカメラとかの機材も必要だし、編集とかテクニックが必要で大変なんでしょ?くらいに思って参加しました(笑)
ところが、動画はタブレット端末を使って撮影、PCで簡単に編集でき、悩みだった作成工数も大幅に削減、活用サイクルが可視化できるマニュアル運用の実現ができると聞いて、大変驚いたとともに、これが使えたら!と思い、Teachme Biz というツールをトライアル導入してみることにしました。
まずは、これまでPowerPointで数多くのマニュアルを作成してきた私自身が体験してみようと、PowerPointと全く同じ工程を動画マニュアルツールで作成をしてみました。すると何日もかかって作成していたものがあっという間に出来たんです!
【トライアルで作成した動画マニュアル(ロッカー使用ルール編)】
【動画(タブレット)マニュアル使用風景】
こんなにスムーズに作成できる上、タブレットの持ち運びでマニュアル使用が容易になるのであれば、社内で推進しない理由がありませんでした。今度はトライアルメンバーを募り、現場で使える工程をいくつか作り、実際に体験してもらえるように取り組みました。
【トライアル導入後の現場アンケート結果】
実は、動画マニュアルの導入に関しては、これまでの運用とは全く異なるため、社内で受け入れられるか少し不安もありました。しかし、トライアル導入の結果、動画をマニュアルツールを活用するメリットが充分にあると判断し、本格導入する運びになりました。
動画マニュアルの可能性
動画学習は文字よりも記憶定着率が2倍?
物流業界は、昨今の人手不足の影響を大きく受ける業種の一つであると思います。また、年間を通して繁閑の差が大きく、新人スタッフが、如何にスピーディに業務を習得し、即戦力になれるかが非常に重要になってきます。
私もYouTubeでよく動画を見ますが、近年、活字離れという言葉を耳にするようになりました。これは、動画は、文字よりもはるかに理解力や情報の吸収力をアップさせることが、理由の一つなのではないかと思います。
可能性を秘めた物流DX
今後も動画マニュアルをより多くの場面で活用していくとともに、業務効率を上げるための新たなシステムの情報収集や導入も試みていきたいと思います。
フルフィルメントセンターのDX化推進は、スタッフにとって今以上に働きやすい環境を生み出すだけではなく、新たなサービスの創出にも繋がると考えています。
私は、日々、様々な目線で興味を持って、情報をリサーチすることを心がけながら業務をしています。良いものを見つけた時には、とてもワクワクしますし、トライ&エラーを繰り返しながら、毎日、一歩ずつ前進していると信じています。
そして、物流業界のDXはまだまだ多くの可能性を秘めていると思います。
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